第172期 #2

森吉郎は、かく語りき

森吉郎と会ったのは2004年アテネオリンピックの関連イベントに来賓として出席されていた。世界の著名演出家が舞台のオリンピックを野外の円形劇場を舞台に競い合うという五輪関連行事で来賓として初日公演の後、懇親会を劇場近くのレストランで開き同席したのだった。文化芸術、スポーツに造詣の深い吉郎君はどこにでも顔を出す、頼まれると断らない。大して意味のないことを熱弁したり、大事な公務とプライベートの弁えが無く、何を優先するか判断ができない。この人何代か前の総理大臣であったことは、親友をブレーンにして公私混同を繰り返したどちらかの大統領のように、ハワイ沖で米国潜水艦が衝突事故を起こした件の対応のまずさから内閣支持率が10%以下になって辞職したことを思い出した。今回阿部マリオ君がパールハーバーを慰問に訪れたが、あの時も吉郎君は事故現場には行っていない。カウボーイハットをかぶりクラブを刀に見かけゴルフ場を歩く姿は当時の写真週刊誌に格好の被写体として撮られるも緊急事態にも高校生の事故だから軽く見ていたこともお隣の国の元首と同じであったことはやはり器が同じというか。
最近の五輪組織委員会での並外れたバランス感覚に驚愕するも、ご本人何が問題か理解せず、招致のお飾り座長の域を越えられず、組織委員会がのまま3年後、本番を迎えるまでに、誰かがご教示いただかないとこの救えようがない馬鹿が大会を大失敗に終わらせるのではないか。立場を理解しようとしない馬鹿は早く退陣戴いた方が良いのでは。失敗をしても認めない救いようのない態度は実務執行のための自己犠牲が実行できない、理解できていないために発生する大失態を犯し、世界に恥をさらす前に、お飾りで無能ぶりを発揮することで負のレガシーになることを理解しないといけません。組織委員会は資金集めから施設建設、運用から大会後の用途まですべてをチェックして、最終収支をはじき出す能力が持ち合わせている人物が組織委員長です。吉郎君は三流政治家の古典的に何もしないが、指示もできないパターンの人種ですが、話を聞いても皮肉、おちゃらけで部下も指導出来ず、利権がらみの業者におだてられて生きる利権モンスター役は得意中の得意ですが、モンスターを退治する地球防衛軍の司令官にはなれないタイプです。誰かこの人間に今の役目を教えてやってくれ、既にコントロール不能とIOCに乗り込まれているのだから。



Copyright © 2017 Gene Yosh(吉田仁) / 編集: 短編