第165期 #11
広島の地に合衆国大統領が来訪した、吉田は高校2年の初夏に修学旅行で訪れた、記憶をたどると、当時、映像は記録できない時代で、画像を写真フイルム10本にしたため、山口県、萩、津和野、秋芳洞、岩国、錦帯橋、宮島、最後に広島の都会にて平和記念公園、原爆資料館を訪れた。40年前の場所を約4年間暮らしたアメリカの大統領が訪れた。当時の大統領は息子ブッシュ、2000年のゴア候補と1か月の選挙結果が出ない前代未聞の選挙戦を勝ち抜いたブッシュである。その就任した2001年9月に同時多発テロが発生、オバマ氏は就任した2009年にプラハ演説でノーベル平和賞、この違いはなんだろう。今回はニューヨーク五番街とセントラルパークの角に立つ、トランプタワーでアメリカンドリーム、金満の象徴のトランプ氏が優勢らしいが、2017年は何も起きないで欲しいものですね。
広島の演説はとても抽象的であったが、71年前の原爆ドームと40年前に脳裏に焼き付いていた近代的なビルが今でも同じ風貌で立ち尽くしていた、新旧のビルのコントラストが、オバマ氏の背景にあったことはとても吉田にとって象徴的な映像となった。
アメリカは植民地から独立した、広大な国土と自然の資源に恵まれた、他国の領土を脅かす必要もなく、自給できる食料やエネルギー、人材も多くの移民を許可して強大なパワーも兼ね備えた国である。遠い太平洋を挟んだ島国と戦争をする必要もなく、今でも都会に住む人間以外は田舎で海外へ仕事や旅行をする必要もなく、一生、国外に出ることがない国民も多いと聞いている。そんな国が何故日本と戦争を交えることになったのか、その上、早く戦争を終結させるために核爆弾を使用しなければならなかったのか。そしてオバマ氏が言うように子供の未来を奪ってしまったのか。その手段を廃絶するために核のボタンを鞄に入れ、持ち歩かなければならないのか。謝罪はなかったが、反省と将来へのスタートは立派な謝罪と汲み取った。
人類は生きなければならない、希望を持って将来を構築する意識を次世代につなげなければならない。地球船という星に皆同じ引力で立ち、走り、考え、悩み、幸福を思う。宇宙に侵略を考える前にこの星の中で差別をなくし、同じ人間や生命を尊び、弱者を思いやる皆、神の対応を身に着け、思いやり、すべてを愛し、己を謙遜する。どこかのリーダーにも聞かせたかった、オバマ氏の演説であった。