第164期 #15
かれのぼたんをねらっていた。
もうあえなくなる。ぼたんをもらう。すきかって? だいにぼたんじゃだめなの。だいいちぼたんじゃないと。
じっさいのぼたんはくろいすーつけーすにはいっていて、まさおくんはたえずそれをてばなさない。かれはそれでけんせいしている。せかいをだよ。ぼっちゃんぼっちゃんとささやかれて。しょきちょう、かれはほんきでしんじている。
まさたか、だいにぼたんほしい。
かれのせいふくのうらにはきんのししゅうがある。だれもしらないんですよね。おもてじもきんだからうらじなんてきにしてられないのですよ。がっこうとはもめない。こうえいだから。
いもうとのえびさわさんはしゃないではなしかけられたいけめんにかいわもおもしろいし、しゅみもにている。ぶちょうにしょるいそうこへいれといてといわれて、そうこへのとちゅうにぶちょうからしょるいかいぎしつにはこんどいてといわれたからないしんむかついたけれど、えがおふるまってかいぎしつにしょるいおいてひるもどってきたらかいぎしつじゃなくてそうこといったじゃんか。ぶちょうがおっしゃったんでしょ、こころのなかだけでさけんで、そんなかけちがいがさんかいあって、だめだというレッテルはられました。だからいけめんもほんとうはしんようしていなくて、まさおでもまさたかでもいいからにんげんとはなしたい。げんえいじゃないひととはなしたい。
かべがみどうしよう。そうだんされてかべとてんじょうをたいひのあるいろにしたらといった。ほんとうはきまっているのだけれど、それにどういしてもらいたいだけだろうとおもってはいたが、ちょっとぽっぷないろをていあんしてなんにちかしてげんばのぶなんないろのかべがみみて、だったらさいしょからじぶんできめりゃいいだろってはらたったからちかくのぎゅうどんやでなみもりにはいたのんでたべた。
だいにぼたんはだいじにもっている。まさおかまさたかはもうどうでもいい。とにかくぼたんもらった。だいいちぼたんだれかにとられた。
じてんしゃにのってかえる。かさわすれた。でもいい、ぼたんあるから。