第158期 #14

俺はダレ

俺は25歳まで順風満帆な生活を送ってきた。ある事件が起きるまで。
それは秋の夕暮れ時、一台のくるまが俺に向かってはしってきた。
スピードを緩めることなく、俺を吹き飛ばしどこかへ逃げてしまった。
俺は今にも倒れそうな体を引きづりながら家に帰り母に助けを求めた。
「助けて。痛いよ。」 と言った。すると母はこっちにきて横になりなさいと言って、俺の両耳の裏に手を回し、お面を取るかのように俺の顔を取った。俺はわけもわからない。なぜ取れるのか?あー人間ってこういう仕組みなのかとも思った。そして修理が終わり、顔を戻され母は俺に言った。
「お前は小4の時に大事故に遭いこの身体になってしまったんだ。少し頭が良くなっただろ?周りがお前を見る目がおかしいだろ?それはそのせいなんだ。今まで言えなくてゴメンね」と言い母は泣いた。
俺は全てのつじつまが合ったと思った。そして俺は人間ぢゃないんだ!とさとった。泣いた。今まで関わってきた人、友達、みんな俺をそんな目で見て関わってきたのかと思うととてもさみしくなり涙が止まらなかった。


そこで目が覚め、俺はいつもの毎日を生きていく。何かを求めるわけでもなく、ただ生きていく。俺は一体ダレだ。



Copyright © 2015 たけぞう / 編集: 短編