第155期 #10

銀座、仁坐、華坐

8月の気温が35度が当り前になって20年ほど、10年前に40度を記録したことがあった。小学生の頃、日本は温帯と習ったが、完全に亜熱帯に、冬も零下になる日があると、その寒暖の差は50度にもおよび、機械工業品の性能試験の稼働温度帯の実験の様であります。永久凍土の極寒の地と、広大な砂漠の灼熱の土地の融合で、益々人間は弱っていくのではないか。
この真夏に涼を取る。銀座で一番近い花火大会は東京湾大華火大会、晴海、日の出、新豊洲に囲まれた海上台座から発射される12000発に70万人が湾岸の各所には恋人、家族連れがあふれます。真夏の夜の涼しさは全くなく、汗まみれの2時間を炎天下ならぬ、湿気の無風状態のなか、これまた地獄であります。一番の涼を取れるのは、新交通「ゆりかもめ」に陣取り、涼しい車内から鑑賞するこれでしょう。一日乗車券を買って、昼間からお台場あたりを散策しながら夕刻を待つ、決してぎりぎりに新橋、豊洲に駆けつけないように、大混雑に乗車まで1時間待ちで並んでいる間に始まってしまします。
銀座の娘たちも中央区内にお住いが多いので、レインボーブリッジ越しに鑑賞できるスポットがあるようで、こちらも大混雑、さらにベイエリアのホテル高層階はまさにプレミアム、プラチナシートを販売しております。あとは屋形船の食事をしながらの鑑賞、お台場海岸あたりに船だまりができて絶好の鑑賞スポットのようです。
しかし、近年豪雨、台風の影響で中止が続いている。これも異常気象が原因でとても夏の天気も、春秋の様にころころ変わる強烈な牙の季節と季語も変わるのではないでしょうか。子供の頃の近所の連中で花火を持ち寄り、夜更かしをした、朝のラジオ体操から夜遅くまで、夏を楽しむ、絵日記の世界はもう描けないのかなあ。
東京五輪の新国立競技場が話題ですが、2016年の招致活動の時にメイン会場は晴海の展示場跡地にできる予定であったが、あの斬新なデザインの会場を建て替えで建設費を抑えるはずが、逆に高いものについてしまった。日本の役人らしい、見通しの悪い結果に、一儲け狙う、ハイエナが元首相に群がる構造が、一人ひょっとこ組織委員長は自分の役割がわかっていない。5年後のお笑い劇場になっては、世界に日本のお笑いは通じないでしょうね。10〜20年後責任が取れる30〜40代の組織委員長が必要だね。子供の頃の思い出をかき消すことがないように厳重注意。



Copyright © 2015 Gene Yosh (吉田 仁) / 編集: 短編