第154期 #7

不気味な四棒

「これであなた達は嘘つきではなくなりました。もしあなた達がこれ以上嘘をつかなければ
時期にあなた達の顔は元に戻るかもしれません」

三人を横ぎり、私はひたすら真っ直ぐへと歩いた。
喉が渇いてもうだめかと思いはしたが、歩いてすぐにとても大きい工場が立っていた。
入ってみたが、案の定ここにはペットボトルに入った二リットルの綺麗な水が、
大量に並んでいた。迷わずにペットボトルを取り、一滴も残らずいっぱいに入ったそれを
ごくりと飲み干した。ペットボトルを捨て、辺りを見回し、
誰もいないのを確認した後、外を出た。

少し変な味の水だったが味は今まで飲んだ水でも最高の味だった。
喉がまた渇かぬよう隣町へ向かい歩いた。すると、一歩目を踏んだ途端、かすかに体の中から沸騰する音が聞こえた。
二歩目を歩いた時には物凄い勢いで体内全体が沸騰するように熱く、体は地面へと勢いよく倒れた。
頭痛やめまいがし、顔も燃え尽きるように熱い。

喉が渇いた時より死にそうなくらいの苦痛だったが、何とか苦しみながらに耐えながら
三時間は経った。三時間が経った頃には
痛みも頭痛も完全に消え去っていた。
何が起こったかは知らないが異常を感じた彼は急いで体を起こす。すると、周りには、さっき水の場所を尋ねた
不気味な三人が、私を取り囲むように立っていた。
何故ここにいるのか聞きたかったが私の口は思い通りに動かない。
のっぺらぼうの男は私の動きに察したのか、ポケットから
手鏡を取り出し、私の顔に近づけてきた。
鏡に写っていたのは、真ん中に目ん玉一つ残った自分の容姿だった。
この三人組と全く変わらない容姿だ。
三人の男はこの工場にたどり着かないように、どこでもいいから別の方角
へと行くよう彼を誘導していたのだろう。
それを彼は…何とも哀れなり。



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