第151期 #5

不運

俺は不運だ。
彼女には振られ、面接に落ち、友達も出来ず・・・
そして一週間前、バイトをクビになった。
「お前なんかに払う給料は無い!」だとよ。
おかげで一週間前から何も食ってない。あのクソハゲめ。
とにかく、これじゃ餓死しちまう。デパートで試食でも食うか・・・
最寄のデパートにやってきた。なんだかやたらと人が多い。
なぜか俺の周りには人間は寄らず、スムーズに扉の前まで来た。
ウイーンと自動扉が開く。
一歩進んだ。なかの人間達が俺を見てぎょっとする。

「おめでとうございまーす!当店1万人目のお客様でーす!」

クラッカーの音とともに拍手が鳴り響く。鼓膜が張り裂けそうだ。

「お客様には10万円分の商品券と記念品をプレゼントいたします!」

!?今、10万円と!?

「おめでとうございまーす!」

や・・・やった・・・こんな俺の人生にも・・・こんな幸運が・・・

「いやーありがとうございます!」

後ろにいる女がなぜか喜んでいる。
何でだ。俺が1万人目の客じゃあ・・・

「ささ!そこの女の方!写真を撮りますのでこちらへ!」

ハゲた従業員のおっさんが女を連れて行く。クソ、ぬか喜びだ。
俺はつかつかと歩き出した。そして、

自爆した。

そう、俺は、人造人間「√」だった。

思いかえすと、俺の見た目が悪かったのかな・・・

右目には、無数のコードがチラついている。

両手がプラスチックで、中に銅線が走っている。

・・・なンだよ博士

もっとニン間らシクしれくれたラ良カッタのに・・・

そシタら・・・モッと・・・

激しい光の中で、俺はニタと笑った。













よっしゃ!人造人間が出来た!

あ、幸運のパーツつけるの忘れた!

ま、いっか!行け!ルート!



Copyright © 2015 桜 眞也 / 編集: 短編