第151期 #17

無題

深夜のこと。おごってやってるのに礼を言わない女がいた。
1000円を2枚店員に差し出し、ごちそうさまでしたといって店を出るときも
後ろからその言葉を聞く事はなくそいつは無言で店を出た。
あいつは何も言わない。頭おかしくなったんじゃないか?
急に無言になって愛想をつかしたのが怖くなり、
俺はそれから全速力で走って逃げた。
あいつがついてくる気がした。こわいこわいこわい。何者?
俺は部屋に付き、あいつが帰ってきたら返り討ちにしてやろうと、
のこぎりと工具を全て出したかばんに包丁を入れた。
寒いからジャージを着ようとしたが、震えて中々着ることができない。
ようやく準備が整った。まだあいつはこない。
もしかして、もうすぐそこまできているのかもしれない。
しまったナイフを取り出して、扉を開けた!
人影が隣の住人の部屋の前に立っている。あいつか!?ぶちのめしてやる勢いで
首を横を振り下ろすように斬りつけた。
それは見知らぬ女子高生だった。
おれは慌てた。やっちまった。でも包丁がささった女子高生は大丈夫?なんて言ってくる。
全然力が入っていないのか。ただ、少し切れた首を傾げて、。。大丈夫?
おまえ包丁がささっているんだぞ?
おれは階段を駆け下りて逃げた。しかし、息があがってくる。回転寿司屋に入った。
あいつがいた。ああ、可愛い。若い。孫ほどの年齢か。歳が離れていることに気付き、ずいぶん可愛く見えた。制服を着たあいつはきれいだった。店の窓越しに通学するあいつを見つめて俺は、回っていない皿をとった。



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