第150期 #3

男の嫉妬

まぁ、いいんじゃない。

確かに彼は巧いと思うよ。
歳も若いじゃない?俺が彼ぐらいの時に同じことが出来たかっていうと、んー、胸を張って「出来た」とは言えないかな。
恥ずかしながら。

いやでもまぁ、ジャンルが違うとこあるしね、一概に彼が抜きん出てるとも言えないかな。決して卑下するわけじゃなくてね。
色んな土俵があるからさ、俺の土俵も彼とはちょっと違うわけだし。
まぁでも彼は本当に巧いと思うよ。

あ、ちなみにさっきから言ってる「巧い」ってのはテクニックという意味の巧いね。技巧のギ。
感性というか、天才肌というか、そういった感じとは違うところ。

しかしあの巧さは否定出来ないね。
本人には何のことないのかもしれないけれど、同じことが誰にでも出来るわけじゃないし。いやでもまぁなんていうか、決して低く見てるわけじゃないんだけど、やっていれば到達出来そうなレヴェルっていうか、いや今の俺には出来てないけどね、そう、んー、化け物じみてはない、って感じかな。いや、言葉に困るけど。
それでもやっぱり巧いことには変わりないけどね。ホント巧いと思うよ、彼。
あ、ゴメン、ちょっとお手洗いに。



(しゃべり過ぎたか)



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