第142期 #15

俳句の季語

ロボット犬だと思ひ居り秋の暮
季語は「秋の暮」。秋の夕暮れと言う意味と晩秋でもう秋が終わると言う意味の「秋の暮」の二つの意味がある。

2014年7月8日(火)、私の家の前の藤棚のすぐそばで、もう白粉花が咲いて居る。「白粉花」は仲秋の季語。そう思って居たら、今日の22時台、「稲光」を一瞬見た。「稲光」は秋の季語だ。「雷」自体は夏の季語だが、光を主体とした「稲光」「いなつるび」は秋の季語。大音響の「雷」は夏の季語だが「稲光」は秋の季語。稲妻が稲を実らせると信じられた為だ。

「稲」にまつわる季語はたくさんある。当然秋の季語だが雀も「稲雀」と言えば秋の季語。ごくつぶしと言う発想は秋の雀を見て居て思い付いたのではないか、そう思わせるふしがある。私の異母兄は藤棚に紐を引っ掛けて首吊り自殺したが、いまわの言葉が
「ふ、ふ、ふじ・・」だった。
「藤」は当然春の季語だが、これは晩春に薄紫色の花を咲かせるためだ。なので殆どの俳句は「藤房」とか「藤の花」「花藤」などと藤が咲いて居るのがあからさまに分かる詠み方をする。もちろんただ「藤」と言っただけでも「藤の花」の事だが、これは例句が少ないようだ。



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