第138期 #4
あいかわらず教室でニンゲン扱いされないわたしはお弁当を鞄から取りだして猫姿になって(そうしたほうがごはんがおいしくなる!)ごはんをつっつく。みんな教科書とノートとペンシルを机の上に並べている。わたしのつくえ猫が鎮座しておべんとうたべている!
すごくたのしくなって「なおおおおおおん」と鳴いたらさすがにセンセイに叱られた。
「にゃごんにゃーん」って謝った。
「気をつけてください。猫でも授業の邪魔はいけません」
「にゃん。」
センパイもならって頭をさげた。
センセイが頷いて黒板の方に戻り、淡々と授業が再開される。
クラス・メイトの視線がわたしに突き刺さっていて、得意になっておなかをごろーんとみせつけてやる!
なのにだれもなでにきてくれない!!!
おなかのサバトラ柄はなかなか自慢なんだぞ?
4月8日
わたしはセンセイの眼前で互いを抱きしめる。すぐさまねこすがたに意のままにかわる。わたしは「なやう」と鳴いた。わたしはその場で猫部の成立を承諾してもらった。
部室をいただいた。猫部の根城に、まっさきにゴミ捨て場で拾ってきた毛布を敷いて、座布団と蜜柑を設置した。蜜柑は猫姿で木に登り収穫した成果物だった。
それから、部室はきちゃなかった。背中でずりずりずりーっっと床を掃除したらセンパイの黄金色のせなかがホコリっぽくもわもわしてしまうのでさみしい気分。けれどおへやはきれいになったぞ!
おへやがきれいになったからちゃぶだいにむかいあい、煎茶をいただきながら、ほうと一息ついて、それから部活なのだー! ってきあいをいれるっっ
「猫部ってなんなんでしょうか!」
「ぬあにゃごろーんとする部活だよ!」
「!!!」
「ぬあにゃごろーん!」
「ぬあにゃごろーん!」
毛布のうえでごろーんごろーんしながらさけぶ。
ぬあにゃごろーん!
わたしの部活は大成功だった!
存分にごろーんごろーんしたのだ。ほくほくした気分で最初日の部活動は完遂した。ワタシたちはハイタッチしてニンゲン姿に戻って、成猫にひきぶんの毛むくじゃらになった毛布を目の前にしてぼうぜんとした。
わたしは言った。
「じゃあこれ、もとあったところに返しておきましょうか……?」
「ううん。とりあえず外出て毛をはたこう。それから天日干しして、それでだめそうだったら洗濯しよう」
「この毛布気に入ったのでしょうか」
「きみだって好きでしょ」
「はい」
「だから大切にしましょう!」
「はい!!!」