第134期 #7
空が高くなり、木々が紅葉し始めた季節。神無月のとある日に、友達と神社で待ち合わせをしていた、恵子。ふと、鳥居を見ると、鳥居の上に人がいた。
赤い着物を着た女の子。
一瞬、自分の目を疑った、恵子は眼をぱちぱちさせて、もう一度見る。
やっぱりいる。
恵子は、その子をじっと見た。
その女の子も恵子をじっと見た。
目があったのだ。
そして、女の子は消えた。
10分後、友達が慌てて駆け寄ってきた。もちろん遅刻である。あの女の子は、何だったのだろうか。
神無月の豊饒祭りに友達との待ち合わせの出来事である。