第129期 #2
ご飯食べてたらゆっくりと彼女が迫ってきて彼女はどんどんど巨大になっていく。あれこれオレが近づいているんじゃなくて彼女が巨大になってんだよね。と僕は施工して、「ね、凄い大きくなってきてない」
とか言ったら彼女は
「イトーヨーカドーでパン食べたから」と言い訳をした。
こたつの中にふたりでいつと 彼女はやはりどんどん大きくなっていって、僕は圧力で段々身体が痛くなってきた。
「もうはちきれそうだよ、こたつ。」というと
「うん、おそといかなきゃだね。」
とかのじょがいった、彼女の声は僕の皮膚と日の上の皮膚のぴったりくっついている部分から直に伝わった。
彼女は僕をお腹の肉の間に挟んだまま外へ出た。彼女は家の中を匍匐前進したりしゃがんだり色々な工夫をしながら出て行った。彼女はきっと3.5メートルにはなっているようだった。
外は真っ白だった。雪が降っていた。彼女はマフラー代わりの布団を首に巻いて
「真っ白だねー」という。
僕は彼女の温かい肉に包まれながら、彼女が身体に巻いているカーテンから顔を出して
「ほんと、しろい。」といった。
雪はたくさん積もっていて家や道路を雪で埋めていた。真っ白になった家や道路は雪のなされるままになっていた。雪は今も降っていた。僕はひとつも濡れていなかったけれど、温かい彼女は雪が彼女の体に触れるたびに雪は溶けて彼女はびしょびしょに濡れていった。彼女は一回大きなくしゃみをする。
「ちょっと散歩していこうか。」と彼女がこっちをみて笑ったので
「ちょっとだけだよ。」と僕は言った。
公園を通ると雪遊びをしている子どもたちがいた。子どもたちは彼女を見ると「大きいお姉ちゃんだ!」と言った。
わらわらと餌をたかる猫達のように子供は彼女に群がった。
「抱っこして!抱っこして!」子どもたちは同じ事を一斉に彼女にいう。彼女は快諾して、ひとりずつ子供の両脇を手で掴みその手をおもいっきり上に伸ばした。
「おお!たっかーい!」僕らは子どもたちに大人気だった。
それをきっかけに、僕たちは公園の遊具になった。
ときどきご飯や服が必要なので一回百円で彼女は子どもたちをおぶった。僕は彼女の腹の肉から手を出して子どもたちから100円を受け取った。
子供がいない早朝や真夜中は二人でゆっくりと公園の風景を眺める。僕はこの時間が一番好きだ。