第112期 #14

俳句評

  洗い場で父は枇杷の実の種を落とす(2011年6月24日)
 枇杷の実の種の落下をさせる父(同)
 新じゃがを父はスプーンで剥いて居る(同)
 「洗い場で・・」、季語は枇杷で夏。キッチンのスィンクで父が枇杷を食べながら枇杷の大きな種を落とす。結構な音がして耳を刺激する。だからと言う訳ではないが「種を落とす」と事実そそのまま詠んでいるようだが、その時私は北東のキッチンに対して南西の部屋に居り、直ぐ斜め前のキッチンで行われている動作に固唾をのんでパソコンに向かって居た。静寂の中枇杷の種を落ちると言う現象は類句を詠んでも結構いけるいい句を詠めるのではないかと思う。
 2句目も季語は「枇杷」で夏。再びキッチンのスィンクで枇杷の種を落とす父の事を詠んだ。今度はより父が意図的にやっているかのような印象を与える詠み方になっている。
 3句目は「新じゃが」が季語で夏。ジャガイモの皮をスプーンで剥いて居ると言うだけの句。しかし父のひたむきさとともに、スプーンで皮がむかれるジャガイモにも思いを致して自由奔放な想像に浸ってほしいと言う隠された意味もある。

 以上過去の3句を評して見たが、皆さんは自分流に自由に解釈してもらえばいいと思う。



Copyright © 2012 ロロ=キタカ / 編集: 短編