第103期 #13

盗作

君にはちんぼがあると言われた               Yes!! たしかに。 私には3本のペニスがある。
今日からはと、私は付け加えた。きのうまでは4本あったんだけど。 
誰だ?俺のナニを1本切ったのは?              

ラシーヌがらしい詩を書いて居る。              君にはらしい詩が書けるだろう。               但しダウナーな詩も書けて仕舞うだろう。            

毛島線一は上記の詩を盗作した容疑で取り調べを受けて居た。
「君ね、先ず本題に入る前に、君の名前なんだけど、モウシマセンイチなのかケシマセンイチなのか読み方が分からんのだけど、それをはっきりさせてくれんと本題に入れんわな」
「私は作家をやって居りまして、戸籍上はモウシマセンイチなのですが、ペンネームはケシマセンイチなのです」
「ふーむ。戸籍上とペンネームが違うと。それはいいとして、どうして盗作などやったのかね」
「実はですね、私が盗作したと言われるこの詩、これは私が昔したためた手帖にあったのをきゃつに盗用されたのです。むしろ私の方が盗作されたのですが、玉井君の方が先に発表して仕舞って、くだんの騒動になった次第なのです」
「ふーむ。玉井君の方に先に発表されて仕舞ったと。証拠はあるのかね。君が偽造文書を提出する可能性もある訳だから時系列的にも正しいかどうかの証拠を君が提出する必要がある」
「時系列的なのを証明するのは難しいですね。私はただ真摯にオリジナルの手帖を提出する事が出来るだけです」
「そりゃ厳しいかもな。まあでも何もせんよりはましだろ、どれその手帖を見せてくれんかね。証拠として採用できるかどうか鑑定してしんぜよう」
「そう言った事は弁護士を通してして貰いたいです。刑事さんに出したらどんな使われ方をするか」
「なに?わしを信用出来んの?ちなみに君の詩のタイトルは?」
「「静かだけど直ぐうるさくなっちゃって結局うるさい時間の方が長いんだからなあトータルで。だけどこの部屋で」と言うタイトルです」
「ふーん、そんなタイトルで売れるのかなあ」
 毛島線一の取り調べは終わった。



Copyright © 2011 ロロ=キタカ / 編集: 短編