第101期 #15

終末

「世界など壊れてしまえ。人々など終ってしまえ」
これが彼女の口癖だった。
彼女は別に世界から、人々から何かされたわけでもない。
だが、彼女は嫌っていた、この世界を、人々を。

「このままだと世界が終わる」
と聞いた時彼女はとても喜んだ。
「だが、それは約一億年先の事だ」
と聞いた時。
彼女は、とても怒り憎んだ。
「人生は一度しかないのに、なぜ生まれる場所年代を自分で決める事が出来ないのだろうか」
と。
そして長い間考えた末に、答えを出した。
「私が死んで。神に頼もうじゃないか」
なんと、ファンタジックな考えだろうか。この時代、神など信じるものは、誰一人いないのだから。
もし、本当に神がいたらこの計画は成功だ。だが、居なかったら、ただの無駄死。彼女の望む世界の終わりは見れない。

一日という短い間考えた。そして『死』という答えを出し、自ら首を切った。
黄泉の世界に行った時、彼女はとても絶望した。
神など居なかったからだ。

彼女の死は無駄になり、世界の終わりは見る事が出来なくなった。
そして、世界は終わりの日を迎えた。
これを見るがために死んだ女の子。彼女はどういう世界の終末を想像していたのだろうか

世界の終わりはあっけなく、人の目では見えない早さで壊れていった。



Copyright © 2011 六車 春奈 / 編集: 短編