投票参照

第96期予選時の、#16折合(エム✝ありす)への投票です(1票)。

2010年9月20日 20時18分24秒

正直言うとこの作者の作品は得意でない。
物語の形を成しながらも、文を追っていくと次第に特異な文体が織り交ざり、頭で描いたストーリーが破綻し変幻していく様が実に気色悪いのだ。まるで他人の頭の中を見せ付けられるようで。アニメ映画『マインド・ゲーム』のあまりにあんまりな前衛表現に辟易したことを思い出す。
閑話休題。よって本作も一語一語噛み締めるように読まなければならなかった。件の困惑を期待して。しかし一読後、題名に込められた意味が涼気となって身体を巡った。
易く言えば脱力感でもあるのだが、その先に紛れもなく文学性と作者の才が胡坐しているのを感じて、気がつけば一番気に入っている。まさしく井の中の“カエル”だった自分が大海を知ったような気でいるような心持ち。
どんなに酩酊していても自分には書けない物語であることへのジェラシーを含めて一票。(楡)

参照用リンク: #date20100920-201824


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