第9期予選時の、#28緋い記憶(赤珠)への投票です(1票)。
テキストから客観的な「現実」を組み立ててみようとしても、どうもうまくいかない作品で、一つ間違うと「何が起こっているのか判らない」と言われてしまいかねないが、この場合は、題材が必然的に要求した書き方になっていると言える。
両親に虐待を受けた子供が、自宅に放火して彼らを焼死させた、と簡単に事件をまとめてしまっては多分いけないのであって、ここに再現されているのはそれとは全く異質の、話者一人だけを取りまいている世界のリアリティである。
異常な状況を扱っているが、それに見合うだけの、日常からはかけ離れた歪んだ時空を創り出しているかとおもえた。(海坂)
参照用リンク: #date20030502-215106