第88期予選時の、#11早苗と悟の白い杖(高橋唯)への投票です(1票)。
いろいろ問題もあると思うのだが、まじめに〈小説〉を書こうとしている所に好感を覚えた。余計なお世話であるが、まずタイトルと内容の連絡がどうかと思った。たぶん一人称の語り手「僕」が悟に当るんだろうけれども、ちょっと次元の違うタイトルの付け方になっているかと思う。タイトルだけ三人称客観ってどうなのかということである。問題ないんだろうか。
通勤通学の途上、まったく赤の他人なんだけれどもいつしか顔見知りという関係は確かにあるものである。そういう間柄で何か新しい関わりが生じるというのもあり得るが、一方で無遠慮にもなりかねず、そこをこの作品は視覚障害者という属性によって特別なものにしたといえる。この女性と早苗と悟との日常的な関係がもっと窺えるとよいと思ったが、掌編では仕方のないことであろう。
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