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第84期予選時の、#21午後の講義をさぼって(宇加谷 研一郎)への投票です(1票)。

2009年9月30日 10時17分10秒

なんだろう、この読後に僕を包み込む明るさと爽やかさは。
短いながらも猿山さんの描写はとてもポップです。ですがそれだけが作品全体の空気を支配しているとは言い難い。
宇加谷さんの作品は時々猿が現れて、いい仕事をします。本作ではビーフシチューだとかカットオレンジだとかに寄り道しながらも、作品には一本筋が通っていて、それを猿山さんが開花させているような印象を持ちました。最後に猿山さんが全部持って行った。しかし主人公は話者であり続けた。その絶妙なラインにたまらなく魅せられました。そこにこれまで宇加谷さんの作品に登場した数多の猿たちが手を貸しているのは間違いないでしょうが、反則だとは思わないし、むしろ「やってくれたな」とにやりとしてしまう自分がいます。今回は特に猿がいい仕事をしたな、ととても楽しく読みました。

参照用リンク: #date20090930-101710


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