第84期予選時の、#15猫(みうら)への投票です(2票)。
この作品について「わかりにくい」的な感想をみかけたのですが、どこがわからなかったんだろう?
作者の作品は一応すべて目をとおしていますし、輝ける初期のころから次第に技巧派へ偏っていくところなど、残念に思っていたのですが、この「猫」は、いまだ技巧派ぶってる(あえてホネのない文章にしているところなど、わざとねらってる感じ、あるいは自分自身にたいする言い訳の布石?)ようにみえてしまうところもあるのですが、
その作品の背後にながれるトーンというのは、初期作品にもにた作者のみずみずしい感性、どうして小説を書きたいのかという作者自身の動機のようなものが、この素朴な女の子の描写にあるような気がして、よくわからない80年代風のマニエリスムな作品よりも私はよほど好きです。最近の傑作といっていい。
で、どこがそれほど私をひきつけるのかを具体的に書くと
(中略)
……というわけで、今期の作品19がなければ、「文句なしに1番」といいたいところでした。この路線は方向としてまちがってません!
参照用リンク: #date20090930-125644