第82期予選時の、#18『混沌の神の創り方』(石川楡井)への投票です(2票)。
前半部分の流麗な文章から一転。物品の名称を連呼した中盤以降は嫌悪に近い読感で、上手く混沌を表現してあります。千文字なのでしかたないことなのかもしれませんが、詩的な終わり方では受け止めきれない重さだったのではないでしょうか。
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以下は推薦基準です。
なにをどう評価し推薦するのか。きっと読者の数だけ、それぞれであることでしょう。
私の基準は、主題やストーリーとか落し方など皆さんが要諦とする事柄は二の次三の次なのです。
最も注目したいのは「どのように伝えようと工夫しているか」「どう読ませようかと、どれほど頭を絞ってあるか」なのです。つまり文章そのものなのです。
そういう観点から推薦しました。
参照用リンク: #date20090731-233834
程度の甚だしさや、物事の多彩さを表現するのに、言葉を列挙的にどんどん並べていく手法は童話によく見られるけれども、それと似た手法を子供向きでなく使っているのが面白い。また単に興味深いだけでなく、作品のかなりの割合を占める列挙部分が、積もり積もって独特の雰囲気を醸し出している。まさに混沌から何かが生まれそうな感じだ。
参照用リンク: #date20090731-141433