第8期決勝時の、#16ソング(るるるぶ☆どっぐちゃん)への投票です(4票)。
これと『枕』で考えた。『枕』はタイトルが決定的につまらないのだが、ほかにないのかと想像してみても思い浮かばない。そういう、あまりとっかかりのない物語だと思う。だから印象がうすい。とっかかりのなさでは『ソング』もまた似ているようだが、これは詩と詞、リリックをストーリーの頭尾とし、かつリリカルな表現で描いているという点で一本スジの通った印象を残す。そして『ソング』というタイトルがありありと活きてくる。そのわりに全体的にさほど作為を感じさせないのはうまいと思った。むしろ『枕』のほうがプロットが整然としているぶん作為的なかんじがし、それだけに場面の大胆な省略にはかえって作者の狙いが見えすいてしまった。とはいえ、だから『枕』が悪いというのではなく、きちんとした小説であるのはたしか。きちんとしていない『ソング』を推すのは好みである。
参照用リンク: #date20030418-080426
予選は遅刻してしまい、投票できませんでしたが、
一押しの作品が残っていて良かったです。
■ソング
乖離感がこの作品の決め手だと思います。
彼ら彼女らは、どこか生活感のない場所に長いあいだ隔離され続けているのではないか、
そんな感じがしました。
なぜかって、彼ら彼女らは詩も思い出せないし、
『プラスチックと光で出来た風景』ですよ。
(ここはひどく引っかかって、何回も読みなおしてしまった)
彼は『終電』があると思っていますが、それも彼が作り出した虚構なのではないでしょうか。
こんな変な読解をするのは私だけでしょう。
でも、普通に読むと今度は、
若さに起因する現実社会からの乖離(一種の浮遊感というか)が感じられて、
それもとってもいいと思ったのです。
■作家の風景
妙に字数が多かったので、私もCTRL+Aで確認しました。
ナイス、一発芸! と思います。
■枕
確かに、このジャンルにおいては非の打ちどころがないと思います。
投票しないのは好みの問題です。すいません。
■散桜花
これもハイレベルな作品だと思います。
この作品のオリジナル度がなんとなく気になったので、投票しませんでした。
参照用リンク: #date20030418-045439