投票参照

第76期決勝時の、#6エイミー(yasu)への投票です(1票)。

2009年2月2日 1時10分28秒

まずそれぞれに一言感想を。
『黒い羊』は、これはあくまで未確認の推測にしか過ぎませんが、この作品はとある超短編サイトに掲載されたものでしょうか。
あるいはそれ用に書かれたものでしょうか。
タイトルと作者名に見覚えがあるので。
無論、それ自体は評価に繋がりませんが、それを前提としてみるとアンデッドさんの『黒い羊』はテーマに奥行きがないというか、よくある絶望ものだなと。
文章は巧みですが、斬新さがないと感じました。また死に際の幻想としても、『黒い羊』という題材をもう少しうまく機能させることが出来たんじゃないかと思います。
個人的な好みによるものなので、再掲うんぬんは最早関係ありません。


『檻の中の仔猫』は最後の一行が本来評価すべき部分ではあるのでしょうが、単なる夢オチに部類されるのでしょうか。
もしくは実際の出来事との境目に逆に不安を持たせる意図があったのかもしれません。
どちらにしろ、形式的には真新しさがなく、あえて乾いた文章にしているのだと思いますが、同じようなテーマの『黒い羊』と違って文が魅力的には感じませんでした。
乾いた文章により気狂いを思わせるという手法は、すでに使い古された感があり、どうもよくあるパターンのコラージュにしか思えませんでした。

最後、『エイミー』ですが至極個人的なことを挙げれば、いくら横書きだろうと文頭一マスあけないのは見辛く感じます。
ですが、あえて内容優先で評価すると、この話は特に何でもない話のように思えますが、三作品の中で一番キャラクターが立っていて、オチも綺麗についている。
他の二作が絶望の色が濃かったことが災いして、本作の“どうでもよさ”が良心的な日常を描いていて好感が持てます。
本作も典型的な話運びで並ぶ作品が違っていたら変わっていたでしょうが、今回の並びだからこそ、人の深い感情を描かずにして人を描くことが可能だということ、もしくは日常に垣間見える小説よりも奇な部分を感じさせたところが印象的でした。

ということで相対評価ではありますが、『エイミー』に投票いたします。

参照用リンク: #date20090202-011028


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