第76期決勝時の、#1黒い羊(アンデッド)への投票です(3票)。
今回は「黒い羊」を推させてもらう。
狂気を表現するというのはバランスが大切で、狂気の度合いが甘いと安っぽく見え、行き過ぎるとギャグのようになってしまう。この作品はそのバランスがちょうど良かった。
お話としてもすっきりまとまっており、読み終わって素直にいいと思える。
ただ欠点を言うなら、やはり黒い羊のイメージは陳腐すぎる。ここさえなんとかなれば文句なしなのだが。
「エイミー」は面白さが掴みにくい作品だった。使われているパーツの一つ一つにそれほど魅力を感じられない。起承転結がはっきりしたお話ではないので、それ以外の点で惹きつける力がないとどうも弱い。
文章は段落一字下げをいちいち言うつもりはないが、句読点の使い方がやや違和感のあるものだった。
「檻の中の仔猫」は最後まで迷った。ストーリーの面白さや文章表現の巧みさ、セリフの魅力などは今回決勝では随一だ。ただ問題はオチの一文。これでお話が大きく変わってしまっている。それが吉か凶かを断言することはできないが、個人的にはひどく興ざめさせられてしまった。無意味な夢オチのようなだらしなさを感じる。人によっては楽しめるかもしれないので完全に主観の判断だが、今回の投票は見送らせてもらった。
参照用リンク: #date20090207-220338
今期の一番は、奇跡の絶妙さを有する本作だと思います。
次点はいくつかありますが、失礼ながら『エイミー』は違うと私は思っております。(黒田皐月)
参照用リンク: #date20090201-204500