第7期決勝時の、#22怪奇実話 鳥人事件の大真相(紺詠志)への投票です(5票)。
予選のとき、文句ナシですんなりと投票できたのは、この作品だけだったので。同一の作者が何度も優勝するのは、投稿サイトのあり方から考えるとあまり好ましくないなどと無粋なことも考えてしまうが、面白いものは面白いのだ。仕方が無い。
参照用リンク: #date20030317-175819
失礼な事を云えば、予選でこの作品を推した時は、死票になるのを覚悟していたのであるが、多くの読者に評価されて堂々と最多得票で予選を通過したのは慶賀の至りである。一つ間違えれば、作者が一人で愉しんでいるだけと言われかねない作であるが、それを免れて読者をも愉しませる芸には感服の他ない。
参照用リンク: #date20030317-153449
「短編」では各作者に千字が与えられているのだが、やはりその使い方はそれぞれだと考えさせられた期であった。
『ゴーゴーパンチ』では、あそこまで段落をつくると行頭の一字空けでかなりのロスとなってしまうと、思わず吝嗇な考えが浮かんだ。しかしそれが結実しテンポよく読みすすめることが出来る佳品になったと思う。
『夜空とエクスペリメント』は予選では投票しなかったものの、最後まで迷った作品である。『「おもしろいことをおもしろく伝える」ことさえできれば、千字における「おちありがいい、おちなしがいい」という議論は全く不毛である』と証明した力のある作品だと思う。作者には脱帽である。
『厠へ』は千字の枠内で高度な技巧と緻密な計算が凝らされた作品だと、私は考える。予選結果を読んで自分の読解の浅さを知ったが、やはりこれを選択しないのは私の純粋な好みの問題である。でもこの作品が優勝しそうな気がする。
『怪奇実話 鳥人事件の大真相』は唯一予選でも投票した作品である。この作品からは千字の枠をはみ出しそうな勢いを感じる。ここが『厠へ』との違いである。千字の勝負なのに矛盾している、とも思うが、この勢いを評価して決勝の投票とする。
参照用リンク: #date20030317-001223
芸の勝利かと。
ただ浅学にして私はこれがどの程度の深さに
設定されたパロディなのかを計ることが出来ませぬ。
見る人が見ればまだ語彙が不自然なところがあるかもしれず、
もしかしたらそれも計算の上で現代的な文体との距離で
オチをつけているのかもしれません。
何にせよ、不思議なおかしみの世界へ誘っていただいたので
投票させていただきます。
参照用リンク: #date20030314-021756