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第69期予選時の、#3青春だらだら(藤袴)への投票です(1票)。

2008年6月24日 12時32分42秒

 中学生くらい(?)の恋人たちが駆け落ちを試みる話だと読んだ。
 この小説を「上手いか面白いか」の点、つまり評価する立場で読むのをおすすめしない。そういう読み方をしてしまうと多分、この作品はつまらないしおもしろくない…ような気がする(失礼)。なぜならツッコミどころは満載であるからだ。駆け落ちする緊迫感も感じられないし、「どうせどこにもいかない」と諦めている主人公の態度などしらけるばかりである。焼け野原の戦後世代が読んだとしたら、「作者でてこいっ!」と木刀を持ったガクランが押し寄せてきそうな軽さである。
 だが、そうした彼ら主人公たちの親や先生のような視点ではなしに、自分もまた彼ら主人公たちのような無計画性、やる気のなさ、詰めの甘さ、を持っている(持っていた)ことを一度認めて読みかえしてみると、私は(こいつらあほやなあ)と思いつつも、なんとなく親しみがわいてくる。そして、こういう親しみの感じが、吉本新喜劇をみているときにも感じるなあ……となんとなく脱線して新喜劇を連想してしまった。たしかに人間的に全然しっかりしていない二人ではあるが、この飄々した感じは、昔の若旦那のようにも思えてくる。むしろ24時間働けますか! と連呼していた昭和時代より、文化ははるかに爛熟したのだなあ、と私は平成文化についてだらだら思ってしまった。

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