投票参照

第65期決勝時の、#15マイソフィスト(壱倉柊)への投票です(2票)。

2008年3月1日 18時3分51秒

決勝は相変わらず毛色の違うものが残ってくるので選ぶのが難儀でした。

マイソフィスト(壱倉柊)に投票します。
文章が一本調子に感じるのだけれども同時に速度感。
軽口を叩くが物事はきっちりとこなしてしまう、思い込みなのだがそれでも目標を遂げてしまう、そういったおそらく若々しさと呼ぶ感覚がとても印象的だった。


仙丹(八海宵一)
「我々は、死ぬことを忘れているわけではない」という言葉が説教臭いこと、2008年にこういった説話的内容をこの形式で書くというところに新しさを感じられない。
また文章の趣味の問題かもしれないが、「陋見普君(ろうけんふくん)」と、ルビを振る必要はないと思う。読み方が分かったところで読者に大きなメリットがあるのかどうか。
しかし話の展開などに大きな傷は見当たらなく、童子の人物にかわいらしさもある。
古い皮袋に古い酒。皮袋か酒のどちらかでも新しくしてほしかったというのが懸念点。

マイソフィスト(壱倉柊)
真似をしているうちに本人を越えてしまう。けれどもその凌駕も本人の手の内の出来事のように思える。という人間の意外性が面白かった。
難点を感じるのは構成で、「国語の論文」と「修学旅行研修レポート」の件は同じ内容のリピートなのでひとつのブロックにできそう。そしてその軽量化で結末の部分、吉田くんがじつは嘘をついていた、のあたりをよりドラマチックにすることができたのではないかと。文章が一本調子なのもあいまって、留めと見せ場を感じられなかったのが残念。

桜の樹の上には(三浦)
言葉そのものの魅力と、死人が生き返る荒唐無稽、また構成の自由奔放さも面白かった。そしてこれらを尋常に書き進められる書き手の技量も感じる。
ただ読み解きにくい部分もあり、たとえば「せかい」や「鳴動」という言葉は作品内で表そうとする感覚を示す重要なキーワードだと思うのだが、それがただちに初読では理解できない。これは私の読解力不足なのかもしれないが。
最後の段落を感覚的な描写にせず、理知と感覚が織り交ざった言葉で表現してくれれば解決したのではないのかと思う。

せぶんてぃ〜ん(qbc)
問題害。

参照用リンク: #date20080301-180351

2008年3月1日 0時54分21秒

決勝に残った四作品の中では、群を抜いて素晴らしい。

参照用リンク: #date20080301-005421


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