第64期予選時の、#8関係性の科学(makieba)への投票です(2票)。
人間関係の不毛さについて書かれた話だと読みました。私は好きです。というのも、主人公が自分の状況に対してそれが本当の理知的であるかは別として、誠実に求めようとしているからです。結果的にその先には何もないのかもしれませんが、少なくとも私が「短編」を読むのは絶望状況を自虐するためではなく、あるいは自虐の共有を求めているのではなく、「いずれにしても私はずっとチャンネルを合わせ続けるだろう」という、そんな姿勢、あるいはその結論に至るまでの物語を読む時間を過したいからです。もちろん個人的ですけど、個人的以外な読み方をすることに興味をもてません。
(ロチェスター)
参照用リンク: #date20080122-160439
非常に面白い。
リズムがよく、読みやすい。どんどん読み進めることができるが、書かれている内容がどんどんわからなくなる。語り手がさまざまな可能性を提示しながら否定しつづけるので、読んでいるほうも、何もわからない気分になってくる。
物凄く抽象的なことを書いているようで、筆者の冷静な筆致には現実味を感じずにはいられない。
読後には漠とした不安が残る。そして、その作品を読んだ現在の私の位置について、改めて作品にそって考えさせられる。(梅田)
参照用リンク: #date20080115-205013