第62期予選時の、#7キメラ(qbc)への投票です(4票)。
描くべき情景と、書きたいことを具えた良作だと思います。
現実にはありえないもののオブジェを指してキメラと呼びそれが社会を諷刺している、ひとつの言葉に対してそれだけのことを盛り込めたことは、素晴らしいと思います。
参照用リンク: #date20071130-230016
まともに読めたものがこれだけだった。読み終わって、上手いと思った。何が上手いのか。たとえば、伏線がある、というだけでも、上手い。
『その全てに対して気違いは「知ってる」とだけ答えた。』
「気違い」という人物の性格、それを囲む「子供達」の気持ち、そのことを書く「俺」の目線、それらを同時に描いてなおも、これは伏線として機能する。
気違いがいて、子供達がいて、俺がいる。社会の中心から離れた登場人物が、ここでは生きている。生きている、と、読む私に感じさせる。qbcという名の作者は、この千文字のすべてに存在するはずだが、どこにも存在しないように感じる。
上手い。しかし、上手いだけではない。
この物語にはなにかがある。読み終わったあとに、何かが残る。それがなにか、ことばでは説明できない。小説というのもはそういうものだと思う。
参照用リンク: #date20071125-020438
個人的な趣味と感覚で一票入れさせてもらいます。
個人的には最後の文章の「酷く弱々しく、気違いが言った」と「私なら知っているよ」の順序を逆にしてほしかったです。
参照用リンク: #date20071121-170941
「キメラ」っていうただならぬ語感の勝利。キメラ。キラキラ。
あまりにも素敵な言葉。ペン先で転がして愛でたくなってしまうような言葉。
「キメラ」可愛さに、この作品を書いたのではないか。
参照用リンク: #date20071117-015221