第59期予選時の、#16花の卵(朝野十字)への投票です(2票)。
物語が不気味な地すべりを起こし、全然予想していなかった新しい展開が黒い口を開き、しかし、それが新たな物語としていよいよ花開こうとした瞬間、不意に、まったく不意に、断ち切られる。つまり、「花の卵」とは、この掌編小説そのもののメタファーであるとも言える。朝野十字の技法にはますます磨きがかかっている。(でんでん)
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なんだか悪夢のような話だと思いました。全体がごく平静に、当たり前のように語られれば語られるほど、この世界全体のゆがみが感じられます。違うんじゃないかと抗議したくても、どこがどう変なのか指摘することもできません。「花の卵」なるものも一体何なのか明らかでないのですが、サトシ君にだけは分かっていて、それはこの閉じた世界の中だけで意味を持つ、醒めてしまえば煙のように消えてしまうものなのでしょう。(海)
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