投票参照

第59期予選時の、#14暑寒(川野佑己)への投票です(2票)。

2007年8月31日 22時15分26秒

 多少悩んだのですがやはり推します。悩んだというのは私の読み方の問題です。今回の文章を、実は最初すっきり爽やか夏らしい話と読んだのですが、川野さんが文中で展開しておられる論旨について調べた結果「言語学の通説としては(おそらく)嘘」な論述を虚構として構成する物語なのではないか、と読み直しました。
 しかしこれらの論述は、素人の私の目にはあまりにももっともらしく、そのためにおちょくられたように思えるのです。つまり「おちょくってて面白いお話」と。なので海坂さんの仰るように「暑いということを書こうとしている」とすっきり読むということが逆に難しくなりました。こういう虚構の構成に慣れていないためなのでしょうけれど、正直最後まですっきり読めた方は羨ましいです。いや、それにしても楽しくて勉強になりました。ありがとうございます。(とむOK)

参照用リンク: #date20070831-221526

2007年8月28日 19時37分51秒

 かつて、硬質の文体でイマジネーション豊かに異形の風景を描き出してみせた作者は、今や具象的なイメージを離れ、コトバそのものにあてのない思索をめぐらせ始めている。思索している、というより、夢を見ているといった方がいいかもしれない。そう、もっともらしい口調でここに語られているのは、実は、突拍子もない夢である。読みながら、僕もまた夢見てしまう。遠くへだてられたものたちを、ひとつのコトバが、突然、なんの論理的脈絡もなく結びつけてしまう・・・ そんな荒唐無稽を。そして、はからずも手元にたぐり寄せてしまった遠いものへ、僕もまた、ほのかな憧憬のような思いを抱くのである。(でんでん)

参照用リンク: #date20070828-193751


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