第58期予選時の、#19メフィストフェレス(qbc)への投票です(9票)。
グロテスクな妄想を抱える中年女。一歩間違えれば気持ち悪いだけで終わってしまいそうなものだが、文体の力で軽妙に跳ね回っている。変な文章だ。面白い。
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これだけ票が入ってればもう十分でしょうqbcさん、とか思いながら、やはり今期はこの作品に一票入れないといけないという気持ちになりました。お気に入りはやはり「この日本酒は私が呑んでもいい日本酒でしょうか」以下三行の流れ。そこだけ良かった、というのではなく、そこで簡潔に物語が引き締まる感じがします。(とむOK)
参照用リンク: #date20070731-084156
一つのお手本と言えるような、よくできた作品だと思いますし、偶然うまくいったと感じさせないところがあります。
参照用リンク: #date20070729-152528
もぐらさんの『僕と猫』の感想にジブリのアニメという表現がありましたが、それを拝借するとこの作品は高畑勲がやりそうな人間観察があると思います。メフィストの耳と犬歯がのびるところなんかはかなり具体的に絵として思い浮かびます。もちろん主人公が観音様に変化するところも出て来るでしょう。
文章を追ってさえいれば過不足なく情報が入って来て、尚且つあれこれと想像させる余白は残しておく、というまさに読み手に優しい作品だと思いました。まいりました。(三浦)
参照用リンク: #date20070728-213610
票なしにした方の意見は、賛否問わず貴重だと思う。
個人的には、不条理文学以前に内輪的匂いに疑問を感じていた。
趣味の言葉で片付けられたら、それまでだが、
このサイトのみしか成立しない作品はどうかと思う。
「るるぶ☆どっくちゃん」さんと「qbc」さんは、
自分の世界観と文体を確立している。
「メフィスト」に一票。
気になるのは、センテンスの長さ。
意図的かもしれないが、統一させた方が良いと思った。
共感できる心理を分かりやすい描写で表現できている。
他の作品よりも、物語の魂を捉えた点が抜きん出ている。
読み終えた後、爽快感があった。
参照用リンク: #date20070721-120744
今期はこの作品が抜きん出ている、との評が海坂さんから寄せられていますが、当方もまったく同感です。この作者については、人間を観る目にブレがない、という意味のことを以前書きましたが、今作でも、曲者たちの風貌は実にしたたかに立ち上がってきます。刺すようなアイロニー、黒い諧謔の奥で、人間に対する作者の生き生きとした関心が脈打っているのを感じます。一点買いです。(でんでん)
参照用リンク: #date20070718-130230
私の見るところ、今期作品の中では、一つレベルが違っていたように思います。作者の過剰な主観を押しつけることなく、作品世界における現実が「言葉」によってしっかり構成されています。小説を読む愉しさとはこういうものだと言いたくなりました。(海)
参照用リンク: #date20070715-114535