第58期予選時の、#16僕と猫(たけやん)への投票です(5票)。
余計なものがない。かと言って物足りないかと言えばそうでもない。この微妙な長さのせいで、何度も読み返してしまいました。
参照用リンク: #date20070731-202411
こういうのを感性の差というのか、私はついついこまごま凝ったものを書いてしまうのですが、たけやんさんのふわっと書いているようで要所を押さえて最後まで飽きさせない、味のある文章がうらやましいので、一票です。(とむOK)
参照用リンク: #date20070731-084156
人語を解するのに、それを使ってすることが万年筆の金魚を呪うというのが面白いです。これは、猫語を解する主人公という設定だった場合には成立しないおかしさだと思います。
あと、
なあ、気が滅入るからやめてくれないか?と声をかけると、すぐに静かになった。
振り向いて猫を見ると、黙ったまま僕の方をじっと見ている。
この二行が好きです。
これは、この小説を書きながら猫に声をかけ、思ったよりも早く静かになったので気になって原稿用紙から顔を上げ、振り向いた、という描写なわけですが、主人公が万年筆を使って文章を書いているという事実が明らかにされるのは小説の終盤で、なぜ猫がいじっているものが万年筆なのか? という序盤の疑問への答えが実はここで明かされている(ようなもの)というのがいいです。
とは言っても、原稿用紙から顔を上げ、気になって顔だけ振り向いて、今度は体ごと猫の方を向くという動作が暗に見えるというのが読んでいて楽しいという方がメインです。(三浦)
参照用リンク: #date20070728-213610
論理的ではない話ではあるが、そこに柔らかみがあって良いと思う。
余計なものを描かず、余計な展開を求めないその見極めは、実は相当のものなのかもしれない。(黒田皐月)
参照用リンク: #date20070712-232927