第55期予選時の、#17例えば千字で永遠を(黒田皐月)への投票です(1票)。
失礼ながら黒田さんにこのような視野の広い作品が書けるとは予想していなかった。前作がある種のピークだろうと思っていた。
スウィング・バイというのがどういう働きなのか、こっちはうまく理解できなかったけれども、そんなことはどうでもよくなる。そのまま作品の主人公に自分も同化した気分になった。本当は宇宙空間をもっと速く飛んでいくつもりがまちがってブラックホールに落ちていくという転換には悲哀と可笑しさが同居していて、まるでカート・ヴォネガットの作品のようだ、と感心もした。
この作品の対抗作として、今期は「北京島にて」(るるるぶ☆どっぐちゃん )と迷ったものの、「想像力」だけに終わらずにそれを展開して物語っている黒田さんの作品が印象に残る。
(ロチェスター)
参照用リンク: #date20070413-134504