第50期決勝時の、#25蝶と蜻蛉と蟻(海坂他人)への投票です(4票)。
作者は何か思うところがあったのかもしれないし、
これといって深く考えることはしなかったのかもしれない。
どちらにもとれるゆとりを残してあるところが良いと思う。
参照用リンク: #date20061022-101011
予選票で『愛唱歌』を引き合いに出して投票した『蟲』を推すのが筋ですが、この『蝶と蜻蛉と蟻』は票こそ入れなかったものの好きで、決勝に残ったので読み直してみましたが、やはり好きなので、これを推す事にします。
子供の頃、蟻が組織的に動いている様子に感動し、内臓が消えた昆虫の死骸を見て「死」をおぼろげに感じたのを思い出しました。
主人公が昆虫を介して何かしらを語ろうとしないというのは美点ですね。
『蟲』
私には縁のない頭の働き方で書かれた作品です。憧れます。
『ちーちゃん』
方言は「文字」というよりも「音」なので、台詞には効果絶大です。使えるのがうらやましい。
「僕」とちーちゃんとは大人と子供という関係でありながら、二人の言葉遣いには違いがなく、それがこの会話の面白さのひとつなのかなあと思いました。
(三浦)
参照用リンク: #date20061017-022609
ドキュメンタリーは物事をどれだけ正確に描写するかという質を必要としていて、この物語はそれだ高い質でできていると思いました。
ところで、短い小説は詩的要素を含んでいて、なので無人称一人語りもひとつの有効な手法だと思うのですが、いかがでしょう。(黒田皐月)
参照用リンク: #date20061015-170753