第45期予選時の、#25ペペロンチーノ・スパゲティ(曠野反次郎)への投票です(5票)。
うろ覚えなのだが曠野さんが『短編』で関西弁を使ったのは初めてではないかと思う。今まで意識的に封印しておられたのかどうかは判らないけれど、ついに強力な兵器を解禁したなあという感じである。なにぶん創作ではどうもサマにならない、使いにくい方言を母語にしている人間としては羨ましい限りである。
内容についても間然するところなしで、他者の考えていることの理解しがたさ、なんてな説明をするのが野暮におもえてくる。恋人の質問に触発された語り手が、一人であれこれと連想していることもまた、相手には全く通じないにちがいない。その辺が気の毒でもありなんとも可笑しい。(海)
参照用リンク: #date20060513-213831
暴力的なセックス、といえば失礼かもしれないが、曠野さんがときどきお書きになるセックス描写の「短編」よりも、坂木竜馬をはじめとする「消しゴム」のようなすれちがいな会話で笑わせてくれる「ペペロンチーノ・スパゲッティ」の方が個人的によっぽど好きだ。そこには虚無感を押し殺して笑いとばそうとする明るさがあって、上方落語に通ずるものがある。作家・曠野反次郎の本領はそっちにあるのではないか。私小説的なものを書く曠野反次郎はスタイルとしては格好いいけど、絲山秋子の「袋小路の男」に出てくる作家志望の青年みたいで、それじゃあ曠野さん袋小路から出られませんよ!と思ってしまう。(作品感想と関係ない部分、失礼しました)
参照用リンク: #date20060506-201402
無理問答的な質問にいちいち情報を付け足しながら答えている彼氏に笑いました。
雰囲気もよく、非常に楽しく読ませていただきました。
参照用リンク: #date20060501-183236