第40期予選時の、#6未来(逢澤透明)への投票です(5票)。
今期はつい忙しくて、十四日まで全く作品を読む暇がなかった。当然投票は諦めていたが、ちょうど前日に仕事が一区切りついて、ふと立ち寄ってみると幸か不幸か故障で〆切が一日延びたという。これも何かの縁だろうと思ったので、改めて読んで投票することにした。
半日で読んだのでかなり駆け足だったけれど、目をつけた作品を番号だけ挙げれば、4,6,8,10,15,19,22,23,26,32,34。今期も例によって読むのが辛い作品もあったが、面白いものも多かったように思う。この中から三つに絞るのは案外難しかった。
『未来』は、小説そのものに関する考察を、小説の形でやってみたというものである。ボルヘスだとかバルトだとか、わかる人だけわかればいいという気配もあって、私にもすべて理解できたとは言い切れないようでもあるが、今期自分にとってはもっとも切実な内容を伝えてきた作品であった。作者が思索の結果ひとつの確かな信念に達したことがうかがわれ、それは傾聴に値するものだと思われた。
いったい小説とはどういうものかという疑問・関心は、小説書きは誰でも抱えているものであって、そういう局地的な興味に訴えるのは邪道なのかも知らんという気もするが、それこそ芸術作品の価値は本来、享受する個人がつくるものだろう。それを離れて普遍的な評価をしようとしたって始まらないと考えたい。
参照用リンク: #date20051215-214155
○をつけた作品が他にないというのは寂しいものです。
評価は掲示板の方に書いてあるのでそちらを参照してください。
総評として、千文字以下の作品なのに矛盾を解決できていない作品が多いです。
読者より頭を使わなくて、何が書き手かと思うのですが、皆様いかがでしょうか?
参照用リンク: #date20051209-215759