投票参照

第40期予選時の、#32消しゴム(曠野反次郎)への投票です(5票)。

2005年12月15日 12時20分12秒

めずらしく無難な作風。

参照用リンク: #date20051215-122012

2005年12月13日 13時1分53秒

凶悪なギャグなんだと思いました。

今までのちょっと分かりづらいけど雰囲気あって面白いね的短編投稿作品群が前フリ。
今月の、感動っぽいけど別に特に新しさを感じない作品がオチ。
前フリで固めに固めてアラハリズムという言葉まで作らせ高めたイメージを、おもうさま破壊しつくすことによって笑いを得る大掛かりな手口。

>竜馬に握られたままの、削れて角の取れた消しゴムだけがその言葉を聴いた。

此処ココ、こことかほんと素晴らしい。この、とってつけたような平凡なオチがこの気の長い仕掛けの笑いの構造全体を象徴している。今月の作品の中では直前部まで方言や語り口で楽しませてくれたにも関わらず、最後の一文はひどく平凡。全体の中では、直前月まで独特の語り口で楽しませてくれたにも関わらず、今月はひどく平凡。素晴らしい。気を抜いていない。

また「消しゴム」はあらのさんが嫌いそうな映画「私の中の頭の消しゴム」から、それとも先月優勝したヒモロギさんと縁がありそうな紺さんの「なくした消しゴム」http://tanpen.jp/6/20.htmlからの引用か。そしてあらのさんだったら「木馬」と言えば「そこ弾幕うすい!」の方でしょうに、そこで筆を堪えた我慢にも注目。

続きましてまた、今月の作品単体に関しましては小学生が竜馬を知っているのかという点に関しては、
>三年のクラスがえで一緒になった級友にそう言われて、はじめて竜馬は坂本竜馬のことを知った。何も知らなかったほかの級友たちも、
の部分があるので問題はないと。
「木馬」に関してはやはり苦しいのですが、名前負けせぬようにと、坂木竜馬くんはたいへん勉強に励んでいたのだと思います。最後にあまり関係ないですが、戦場ヶ原さんが戻ってきてくれると嬉しいです。書くところが別にないので、ここに。

参照用リンク: #date20051213-130153

2005年12月13日 0時41分41秒

らしくない気もするが、さすがと言うしかない。

参照用リンク: #date20051213-004141

2005年12月5日 1時21分40秒

ストーリー、構成、文章と、どれをとってもハイレベルな作品。ではあるが、私個人としては、こういう優等生的な作品よりも一点突破主義的な作品の方が好きなため、最後まで「推奨作品ナシ」にしようか迷ったのだけれど。
敬意を表しての一票。

参照用リンク: #date20051205-012140

2005年11月28日 18時31分20秒

20 死んでも死なない薬 朝野十字
22 父 川島ケイ
32   消しゴム 曠野反次郎

の3編から選ばせてもらった。

朝野十字さん(以下敬称略)の「死んでも死なない薬」は安心して読めて、たぶんずっと後になって読み返しても楽しめる話だと思う。ただ、朝野十字に限らず、この種のジャンルというのは噛めば噛むほど味がでるかといえば、そういうわけではなくてどちらかといえば遊園地でジェットコースターに乗った気分に似ていて、読み終わったあとはさらっとしていて、体臭が少ない。そこで評価が分かれると思うんだけど、今の自分には強くひかれない、好みの問題だと思う。

川島ケイさん(以下敬称略)の「父」、文章はとても読みやすくて上手いと思ったが、この話自体は焼酎の水割りをつくるつもりが焼酎をいれ忘れた水だけの水割り、つまり水を飲んでるような気がする。この父子に何か葛藤があったわけでもなく、ただ28歳の青年とその父がネクタイを買うという話が自分には物足りなかった。次回作に期待。

曠野反次郎さん(以下敬称略)の「消しゴム」は今まで読んだ曠野反次郎の短編の中で一番好きだし、この人は自分の身近の描写や昔の私小説風のスケッチよりも、「消しゴム」のような普通の読者が読んでわかるお話でありながらさりげなく古典のスパイスを効かせたものを書いてほしいと思う。「消しゴム」の中では、主人公坂木竜馬の父はいないのか死んだのか、はたまた普通にいるのか、わからないけども、この父の描写が絶妙にうまい。

<消しゴムのカスが散らばるノートの上に、「木馬」という字が残った。竜馬は自分がウソモンで、消しゴム一つしか盗れんちっこい奴であるだけでなく、木馬に隠れてだまし討ちをしたという昔の卑怯モンでもある気がしてきて、なにもかにもが憎たらしくなり、「父ちゃん、何でオレに竜馬やなんて名前付けたんじゃ」と、言った。>

の部分は笑えるのに哀愁が残る。そう、こういう哀しみを内包した笑いを書けるかどうかなんだ、と思う。今期自分の一番は、しなの「バラ2輪」であったけれども誰にでも一番かといえば、むしろ優勝にふさわしいのは「消しゴム」だろう。結果的に優勝しなかったとしてもそれはたんに投票者がさぼっているだけで、バランスが一番いいのはこの作品なので「人の作品は読みたくない」という参加者も「消しゴム」と「バラ2輪」だけは読んだ方が自分のためにもなると言わせていただく。

参照用リンク: #date20051128-183120


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