投票参照

第40期予選時の、#17バラ2輪(しなの)への投票です(1票)。

2005年11月28日 18時31分20秒

作者にとっては迷惑このうえないだろうけど、好きな作者数名の作品を比較して選ぶのはたのしい。しなのさん(以下敬称略)、るるるぶ☆どっぐちゃんサン(以下敬称略)の二方は文体、内容とまったく似ていないけれど、自分の中ではつながっているものがあって、勝手に読み比べている。あと、ヒモロギさん(以下敬称略)の作品もおもしろかったので、その3編から1編選ばせてもらうことにした。

「割る」はガラスを割って割って割りまくって、歩き続ける話。

<道の先には朝日が昇っていく。そして朝日が昇るよりも速く、風が強く吹いている。風は凄まじく、全てを吹き飛ばしていく。電信柱が折れ、花園が燃え上がり、ガラス張りの建物が目の前でバラバラに砕け、崩れ落ちていく>

なんて部分はゾクゾクするね。そのあとに続く「女の子達のスカートが舞い上がり」の部分で、トリュフォーの「あこがれ」の部分を思い出しました。自転車をこぐ女性のスカートがめくれるのを子供たちが幾分どきどきしながら観ているあのシーンです。るるるぶ☆どっぐちゃん的にはマリリン・モンローへの敬意なんだろうけども。詩だね、これは。おもしろかったです。

ヒモロギの「忍者と小太刀と回転式弾倉」には感心する。この人は前回の「トウフ地獄」もそうだったけど、どうして「ところてんを食いたい、忍者はふと思った」なんて文がつるんとおいしそうに出てくるんだろう? ところてんは内容にまったく関係ないのに、「短編」すべてを読み終わって思い出すのはまず「じいさんのつくるところてん」のことで、こっちもむしょうに食べたくなった。忍者が殺される場面も生臭くなくて、この人の書くエンターテイメントはきちんと料理されていて、しかもそれをひけらかさない感じが読んでて心地よい。おもしろかったです。

ただ、一番よかったのは「バラ2輪」で、ごちゃごちゃ書かずに「よかったです! 次回も愉しみにしてます」とただただ感嘆するのみです。読めばわかると思います。

参照用リンク: #date20051128-183120


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