第4期予選時の、#15暮れの密猟者(紺詠志)への投票です(5票)。
現実のことがらからちょっとずれたところから始まり、物語が進むにつれてそのずれがどんどん広がっていくのだが、最後の最後になって「プレゼント」で辻褄合わせしてしまう、というこの展開の妙。しかもそのラストにあるのは喜びの象徴とも言うべき「プレゼント」と、子タカワライの悲しい泣き声。「悲しい」といってもその悲しさは俯瞰視点の読者だから察知できるのであり、タカワライを単に獲物としてしか見ない猟師の息子には全く伝わっていないと思う。つまり喜びと悲しみが断絶された状態で同じシチュエーションに混在しているわけで、そんな場面を見せられて、嗚呼この湧き上がる感情は一体なに……? と、説明のできぬ読後感に打ち震えたものでした。「説明できないから小説にするんですよね」と、ご本人から言われたことのある言葉をもって感想に換えさせて頂きます。ご馳走様でした。
参照用リンク: #date20021205-002038
先日、フィンランドから政府公認のサンタクロオスが来た、というニュースがテレビで流れたのを見て、
「あ、フクロシロヒゲタカワライ」
と思った。記憶装置に刻み込まれてしまったらしく、これはクリスマスが来るたびに思い出しそうである。
参照用リンク: #date20021202-130608
最後まで悩んだが、『鳩と幼女』は三回転、『暮れの密猟者』は、雌サンタの登場に意表を衝かれた分だけ加点して、三回転半ジャンプと評価した。次点は『エチュードをもう一度』。恩人を死の淵に送り込む主人公の葛藤がもう少しあればと残念に思う。 (ラ)
参照用リンク: #date20021201-031916
ショートショート以下の短編が発想力の勝負だとすればこの作品がピカイチ。しっかしアレが野生動物、しかも有袋類の一種とは・・・脱帽です。
参照用リンク: #date20021125-014847