投票参照

第35期決勝時の、#19睡眠薬とジャスミンを入れ過ぎた、まるでくだらない冗談のようなアフタヌーンティーを飲みながら(るるるぶ☆どっぐちゃん)への投票です(6票)。

2005年7月22日 13時50分53秒

 千文字という限られた枠内で物語を完結させるには、ストーリ展開か描写、そのどちらかをいくらか犠牲しなくてはならない。
 その点、氏の作品は読み終えればきちんとカタルシスが用意されてあるし、描写も氏の持ち味を生かした速度のあるものだ。個人的な感想に留める必要があるだろうが、他作品より群を抜いてそのバランス感覚が良い。町田康、最近では舞城王太郎のタレントと同一のものを持ち合わせているように感じる。

 肝心の純粋な読み手としての感想だが、単純に面白かった。だが、疑問も残る。何故二人なのか。そしてタイトルの意図するものとは。
 とくにタイトルにある睡眠薬という単語が深読みせざるを得ない状況を作り出させる。太宰治に言わせれば、明らかに睡眠薬は悲劇的名詞にあたるだろう。睡眠薬はこの作品に相応しくない、そう感じた。《闇》

参照用リンク: #date20050722-135053

2005年7月22日 13時18分2秒

作品に関して数項目に分けて点数化。「粂婆」と「布団」、一点差でこっちの勝ち。

参照用リンク: #date20050722-131802

2005年7月22日 3時8分59秒

実際のところ今期は「沈黙の糸」と「閃光」に感心しましたが、残念ながらこの二作は決勝に残っていないので、ひたすら押しの強かった「俺達」に一票を投じます。

参照用リンク: #date20050722-030859

2005年7月21日 21時26分4秒

優しく声を掛けられた気分です。

参照用リンク: #date20050721-212604

2005年7月21日 2時3分14秒

先の感想を参考に、私も5作品を並べ読後感を書いてみます。

「睡眠薬とジャスミンを入れ過ぎた、まるでくだらない冗談のようなアフタヌーンティーを飲みながら」…(るるるぶ☆どっぐちゃん)
予選の際、タイトルを見て思わず避けてしまいました。タイトルでこんなことしていいの?…といった驚きと、いややっぱそりゃズルいだろう? 私はこういった(あくまで私が思うに)猫だましのような手は許せない、と(私の)頭が拒絶したのです。タイトルが長すぎて改行までされてるし…などと、タイトルだけで私の中では最下位モノでした。
小説というものは一体どういうモノなのか。その初歩の初歩の1ページ目から離れていない者には、作品中で幾つも続く改行すら、こんなこともしていいのかぁ…といった疑問と不信感さえ沸きます。頭の固い初心者にはそれらすべてが許せませんでした。

「ぼうぼう」…(くわず)
登場人物が語る世界観や死生観、宗教観のようなものに、自分のそれらと幾らかの重なるものを感じ、そう語らせている作者もやはり同じ考えの持ち主なのではという親近感のようなものを覚えました。
自分がもっとも共感できる言葉がそこにあり、読んでいて一番頷く回数の多いものでもあったのです。他の作品を読む前に、私としてはこれだろうなぁと思いました。

「クリックせよ」…(千葉マキ)
いわゆるショートショートってモノがこういったものなのかなぁなんてことを考えながら何度か読み直すものの、最後の一行まで至る頃には、ショートショートってこういうもんだっけ?…なんてことを毎回考えながら読みました。
それほどの意味がありそうには思えない言葉が、意味深に現れては何も言わずに消えていく。その一言一言が、“30万”ではなく“20万”でもよさそうなように、“赤いアイコン”でも、“インターネット使い放題”でも、“電気代も無料”でもなくてよいのではと、ちょっと意地悪な感想まで浮かんでしまいます。もしかしたらそんな無意味な言葉が、読み手をからかっているのではなどとも考えてしまいましたが、一連の感想論がそういった否定的な印象を持たせてしまったのではという印象も否めません。いわゆるショート…ならば、もう少しドカンとオチたら楽しかったのに。

「宇宙人はどこにいる」…(朝野十字)
前半部分が、何度読んでも頭にイメージがキチンと浮かびません。何度も読むうちに味わいが出るような食べ物もありますが、かなり努力したものの、私の毒買力ではどうにもなりませんでした。ごめんなさい。
台詞の語り手が誰なのかをやさしく説明してくれない冒頭の台詞の連続は、いささか(極端な言い方ではありますが)無責任な冷たささえ(それを責めるつもりはありませんが)感じます。正直な実感ですのでお許しを。
1000文字ぴったりの字数から想像すると、はみ出た部分を何度も削った結果、最低限必要な部分も勢い余って少々削り過ぎてしまったのではとも思ってしまいます。もし削ったのだとしたら、削る前の姿を読みたいと思います。それはきっと嫌いではないからでしょう。

「電車がまいります」…(真央りりこ)
昨今、“デジタルディバイド”などともよく言われますが、“電車ディバイド”なんて言葉がふと浮かびます。どの辺りのどんな路線なのでしょうか。個人的には、東横線がその東西をはっきりと分けるような田園調布辺りが浮かぶのですが…。
こんな状況なら、たった今の東京に五万とありそうな…そんな、何も起きない日常生活を千文字分切り分けたという雰囲気、私は好きです。些細な出来事を表す些細な言葉が構成する些細な表現。ふと現れた無数の小さな点がいつのまにか静かに集まり、互いに微妙な角度を生み出し、様々な形を浮かび上がらせるようなスタイル、私は好きです。


ということで、私としてはくわず氏の作品「ぼうぼう」が一押しです。が、ふと休んでいるときのこと。ボーッとしている頭にふと浮かんだのです。あのフレーズが…。あの許せないはずのあの作品のあの歌が。
「ゆあーん」「ゆよーん」「ゆあ」「ゆよーん」。

あぁ何ということか。私はあの「睡眠薬とジャスミンを入れ過ぎた、まるでくだらない冗談のようなアフタヌーンティーを飲みながら」(だから長過ぎるってば)が好きなのかも知れない。何でだろう。考えてもわかりません。皮肉にもそれは“なんとなく”なのです。それは“なんとなく”でもあるけれど、“はっきり”と染み付いてしまったということでしょう。

誤解を招きたくないので言葉を加えますと、私はこのるるるぶ☆どっぐちゃん氏の「睡眠薬とジャスミンを入れ過ぎた、まるでくだらない冗談のようなアフタヌーンティーを飲みながら」(寿限無みたいになってきたな…)という作品が、“なんとなく”、イイんです。好きだったんです。

ところでこの投票システム、いい作品(厳密には自分がいい作品と思える作品ではあるが)と、好きな作品と、一体どちらに投票すべきなのか…などと迷うつもりはございません。私は好きな作品に投票させて頂きます。
ってか、注意事項に「好きな作品を1つ選び」って書いてありましたね、失礼しました。

参照用リンク: #date20050721-020314

2005年7月20日 10時3分43秒

なんだと!マジか?!旅に出た。というくだりが、
有り得ないんだけれど読み手を妙に納得させてしまう強引さと勢いがあった。
不快でないゴリ押し感で読ませる力を感じました。

参照用リンク: #date20050720-100343


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