第31期予選時の、#25小岩井老人(三浦)への投票です(2票)。
たぶん作者のもともとの狙いとはちょっとずれた読みをしているのかなとは思う。おそらく作者は暢気で品良さそうに見える老人が頭の中では何を考えているのかわからんという落差を、滑稽なものとして提出しようとしているのだろう。
しかし私は、この最後の老人の独白から、室生犀星の晩年の作品に見るような、真剣で切実なものを受け取ってしまったのであった。一般に男は幾つになっても女が好きなものであるが、随筆『女ひと』や『蜜のあはれ』などはそういう老人の憧憬が独特の文体をもって描かれている。それらと雰囲気がよく似ている。
参照用リンク: #date20050305-141556