投票参照

第263期予選時の、#1ノートさん(蘇泉)への投票です(4票)。

2024年8月31日 11時52分11秒

 1段落目からタイトルである「ノートさん」が(文字として)登場し、2段落目にはタイトルの意味が明らかにされ、3段落目でもう「ノートさん」に関する情報は(語り手が勤務するカフェに来なくなった理由を除いて)すべて与えられます。つまり4段落目以降は、どうしてカフェに来なくなったのか、という謎に(読者は)集中できるというわけです。
 4段落目の内容は、1段落目の内容(会話)を地の文で説明し直したものになっており、いきなり4段落目から読んでもその後の物語を理解することができますが、では、1段落目から3段落目を読まなくてもよいということはありません。それは、この3つの段落が、5段落目以降に影響を与えているからです。
 さて、本作は「私」を語り手とした一人称視点で書かれています。この、一人称視点であるということが、前段で指摘した、3つの段落が5段落目以降に及ぼす影響に関係しています。つまり、この3つの段落は「ノートさん」に関する単純な情報ではなく、「私」が把握している「ノートさん」の情報、という情報になっているのです。であればこそ、5段落目以降、特に「私」が「ノートさん」に対して「ウチに来ない」理由を詰問する展開が不自然にならないのです(試しに、本作を三人称に変更してみると違いがよくわかるかと思います)。

(三浦)

参照用リンク: #date20240831-115211

2024年8月30日 22時49分45秒

自分が行く喫茶店を変えることに関しては、お客さんに完全に権利があり、自由があるところが、勢いで立場が逆転しているのが面白い。そして、最終的に二股すればいいという、倫理的におかしい(この場合はおかしくはない)ことを強いられる倒錯が楽しかった。

参照用リンク: #date20240830-224945

2024年8月20日 17時45分15秒

自分も昔よく行く店があって、顔も知られていたと思うのだけど、私生活でいろいろあって、あるときからぜんぜん行かなくなったという経験がある。
店員からすると、なぜ来なくなったのかと想像したりするのだろうなと考えると、そこから何か小さな物語が生まれる予感がしてくる。

この作品では、語り手である主人公が、かつての客に、強引にその「物語」のようなものを聞き出そうとするのが面白いなと思った。
そういうやり方もあるんだなと。

参照用リンク: #date20240820-174515

2024年8月15日 13時38分46秒

お店の常連がいつの間にかいなくなるというよくある光景。気にすることもないと思うが、ノートさんの他の店の居心地良さもなんとなくわかる。他の店まで乗り込まれて、非難される近さは怖い。そこを含めて「二股」という語を面白がれるかが鍵なのかな。

参照用リンク: #date20240815-133846


編集:短編 / 管理者連絡先: webmaster@tanpen.jp