第261期決勝時の、#3遠いところから、遠いところへ(たなかなつみ)への投票です(2票)。
今期はこの作品一択です。
人気が出るSFは大抵エモいですが(『三体』とか)、この作品もSFらしいエモさがあり、読んでいる時よりも読み終わった後の印象の方が強いところもSFらしいなと思いました。(三浦)
参照用リンク: #date20240707-121032
周囲とのずれが絶望的になった「彼女」は、その存在すら世間から認識されないようになっていく……。
この作品の内容とは少し違うかもしれないが、今年の米アカデミー賞の授賞式で、アジア人のプレゼンターが受賞者から無視される(空気のように扱われる)という事件を思い出した。
この事件はマイクロアグレッション(自覚なき差別)という言葉で説明され、欧米ではよくあることだと。
それが差別によるものであれ何であれ、自分の存在が他者や世間から認識されないのは、とても悲しいことだなと思った。
人間には、自分にとってあまり重要でないと判断したものは意識から捨象するような機能があり、それは生きる上で必要なことかもしれないが、その判断には偏向や政治性がつきまとうという問題もあるなと、そういうことをいろいろ考えさせられる内容だった。
参照用リンク: #date20240705-182720