投票参照

第250期予選時の、#5姉の頭(Y.田中 崖)への投票です(3票)。

2023年7月30日 18時23分36秒

ライトな怪奇譚と思いきや、悲痛な話。現実とのリンクが生々しく、読んでいて兄弟同様悔しく感じる。
最初は単に続きが読みたいと思ったが、これはこれで既に話として力があり、まとまっている気がした。

参照用リンク: #date20230730-182336

2023年7月15日 10時43分36秒

 痴漢被害についての寓話。『姉の体を奪った相手が、姉に体を切り捨てる選択をさせた世界が憎かった。』のところに、非現実的な出来事をこのように解釈する「ユウちゃん」の「姉」に対する思いが凝縮されています。

 三作品に投票できますが、『姉の頭』と肩を並べる作品が他にはないので、今期は『姉の頭』のみに投票させていただきますが、他の作品の感想もここに載せておきます。

#1 猫
 三段落目の『猫の面倒を見るのは好きではなかった。』からの四段落目『俺は猫がそんなに好きではないが、猫、あるいは人間の面倒を見ることは嫌いではない。』の流れが、説明調でありながら「俺」の人格をにじみ出させていて、かつ「猫」が「美少女」になって「俺」の前に現れる展開の前触れにもなっていて、楽しくなりました。あと、六段落目の『何故か俺に言って』も些細な言葉でありながら「俺」の人格が窺い知れるところで、楽しいですね。

#2 エーディト姫救出譚
 準備をすれば一人でも上演可能なコント台本として読みました。どのお笑い芸人に演じさせたらよいでしょうか。

#4 農機少女
 「タモツ」は対物性愛者なのか(つまり「農機の少女」が完全にトラクターの姿をしている場合)、それとも「農機の少女」を人間として意識しているのか(つまり「農機の少女」が人の姿をしている場合)、どちらともつかず、どちらともつかないところが長所になる内容でもなく、でもたぶん後者なのだろうな、と思いながら読みました。

(三浦)

参照用リンク: #date20230715-104336

2023年7月14日 12時6分28秒

一読では、田舎を舞台とした、独特の味わいのホラーと感じましたが…。そんな特殊能力者が痴漢しかしないのも、それが田舎界隈で騒ぎにならないのも、主人公が大急ぎで体を取り戻しに鉄道会社に連絡しないのも全てが不可解なので、それらが成立する背景まで描写した長編として読んでみたいと思いました。ちなみに、無人駅はプラットフォームまで出入り自由で、インターホンでの連絡は不要です。また、無人駅の隣駅も無人駅のことが多いですね。

『農機少女』は作者の得意な擬人化もの、ではありますが、少女のはずなのに「おばさんたちを安心させて」に違和感を覚えました。ダイゴとユウサクの絡みからは、この青年も農機なのでは?と思わせられ、すみません、何が何だかわらかなくなってしまいました。科学技術が進歩したら、労働量の点だけで言えば、農家に嫁は行きやすくなったようにも思うのですが。

『真っ赤な傘』は、本屋で立ち読みをしている主人公に気付かず、その父がその傘を持ち帰ってしまったので、トラブルが発生した、ということでしょうか?ほんわかさせるような筋立てかと思いきや、何か棘が刺さったような読後感、味わい深さよりは構成の甘さを感じてしまったのが残念です。

参照用リンク: #date20230714-120628


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