第250期決勝時の、#3真っ赤な傘(三浦)への投票です(2票)。
この物語の魅力は「全体の雰囲気」だと感じた。雰囲気小説という言葉は悪口として使われることが多いが、その物語しか持っていない雰囲気を作り上げられるのもまた力だと思う。
モザイクやステンドグラスのように一つ一つはどうでもいいごちゃごちゃした欠片の集まりで構成されていて、細かく見て行くと欠片が歪だったり何故このピースとこのピースが隣り合っているのかも分からない辻褄の合わない箇所や意味の通らない箇所、説明不足の箇所が幾らでも出てくるのに全体を眺めるとそれが得も言われぬバランスで成り立っていてひとつひとつのピースが色鮮やかで、特に中心にある真っ赤な傘が綺麗に輝いている。個別のピースの色や形が気になったりピースごとの接着が甘いのが気になったりする読者もいるとは思うが、これをきちんと辻褄を合わせてしまったら思春期だか反抗期だかの脆くて歪で、でもぎりぎりのバランスで成り立っているぐちゃぐちゃした魅力は消えてしまう気がする。
参照用リンク: #date20230806-023146
#1
「クソ猫を連れて消えなさい!」は読む度ににやっとしてしまう。語感がよすぎて声に出して読みたい。
物語に意外性や新規性は感じられず、台詞やハートマーク出るんだなとか細部に気を取られてしまいました。
#5
拙作。感想いただいて初めて、弟として読めることに気づいたのが反省点です。姉妹のつもりで書きましたが、ちょっと妹が不用心すぎるのかもしれない。
#3
微妙な関係性と、パリの赤い傘の鮮やかさ、語られない物語がよかったです。他の方の感想で、父親が勝手に傘を持ってくるか? というの「確かに……!」となりました。
参照用リンク: #date20230804-082953