第25期予選時の、#20俯瞰(市川)への投票です(2票)。
22期、24期に続いて、今期もやはりこの人の作品に心を動かされた。極端に微視的あるいは巨視的なレンズを通してみた世界は魅力的な変形を被らずにいられない。延び拡がるレールは超低速で撮影された植物の成長を見るようだし、列車は逆に金属やガラスの構成要素に解体され、原型をとどめておくこともできない。視界に映るものはやがて、ものであることすらやめ、いくつかの円と放射状の波線に還元されていく・・・と見えた瞬間、文脈から切り離された独白が不意に挿入され(「鳥の気持ち、あるいはありんこの気持ち。/海は近いよ。でも、どうすることもできないんだもの。」)そこから魔法のように、足下の熱の感覚へ、「私」へと、戻って来る。言葉を酷使すること、すでに使い古された、所与のものとしてでなく言葉を捉えようとする試みにおいて、作者はいつも先頭を走っている。(でんでん)
参照用リンク: #date20040907-134544
今回は本当に多いですね。読めば読むほど、迷ってしまいます。
最初にいいなとおもったこれに一票。文章の密度が好きです。
参照用リンク: #date20040901-111646