第245期予選時の、#10それでも僕らは廻したい(朝飯抜太郎)への投票です(2票)。
着地点がやや不自然に感じられましたが、地下鉄みたいなレーンやリニアみたいに高速移動する寿司を想像して笑いました。
時事ネタに対するボケとしてセンスが良く、アイディアの勢いにやられました。
そのほか
#7『動物園』
奇妙な動物を見た後、いったん平和な展開に流れるので、これは怪談的なオチが来るかな、と思っていましたが、意外に素直なまとめでした。
#8『宇宙駆逐艦ヨアケ』
り手がのんき過ぎる気もするし、乗船員が考えなさすぎているような気もする。読み手の視点や解釈によって状況や登場人物の立場が大きく変わり、面白いと思いました。
#9『降霊夜』
女の存在感がとても強く感じられて良かったです。女の登場のさせ方もうまい。ただ、冬であっても1週間あれば遺体の状態や匂いは変わっていくものではないか、とすればそういった変化にも気づいて欲しい、と感じました。
深夜のビデオデッキの音って怖いですよね。
#3『雪降る復讐』
いけすかん主人公だなぁと思って読んでいたら、物語に巻き込まれている雪という子の存在に少し胸が痛くなりました。
雪の復讐?が何なのかは読み取れませんでした。机に置いてあったのがドクウツギとかならわかるのだけど(冬なら無理か)。
#5『ホットケーキ忍者』
気づいたら自分自身が「ホットケーキ侍」と読んでいました。本当に意味がわからなくて面白かったです。どうしてこうなったのかとても気になる。
#1『ハイブリッド翻訳通訳機』
「留学生のためのAI添削」の続編のように読みました。博士、ちゃんと開発してるんですね。
参照用リンク: #date20230216-011748
今期、小説の体を成しているのは朝飯さんと霧野さんのお二人の作品だと思った。お二人とも構成力があり、バランスがよく取れている。物語がすとんと腑に落ちる。ただ、朝飯さんの場合、最後の着地点が理に落ちすぎていると思う。「地下鉄ホームドア型」には大いに笑った。その調子で、もっと奔放に・奇想天外に、回るものと回らないものとの闘争へ想像力を働かせることが、この作者なら出来ると思う。
参照用リンク: #date20230213-174629