第24期予選時の、#29あの日のバスはもうこない(曠野反次郎)への投票です(3票)。
どことなくコミカルであるのにも関わらず、見事に哀愁を漂わせることに成功している。この作者の持ち味である。
この世界観、一行で情景を想い描かせる力量。だから推薦する。
参照用リンク: #date20040808-135350
21期、22期の投票に参加した際、この作者の作品には心惹かれながら票を投じなかったことを、なんとも心残りに思っていた。今期、ふたたび美しい短編と出会えてほっとしている。長く屈折した文体から立ちのぼる叙情、あてどない逡巡がかもし出すユーモア、そして作品全体を覆う、この作者特有の寂寥感。間然するところのない一作だと思う。(でんでん)
参照用リンク: #date20040730-133105
「昔見た古い映画にこんなシーンがあった気がして、いやあるいはもしかしたら自分こそが今そのスクリーンの中にいて、それを眺めている大勢の見知らぬ誰かがいるのではないかと、そんなことを思うのは一体全体何の錯誤だろうか。」ありがちな錯誤とはいえ、この文章の流れの中ではぴたりと決まっている。私の大好きな「夢の木坂分岐点」を髣髴とさせる短編だった。あまりにも好みで選んでいるんですがこれがダントツでよかったのでこれのみに一票。あ、でも「ペットの効用」も大変面白かったです。票を入れるかどうかというと、この「あの日のバス・・・」と比べてしまうとどうしても趣味趣向の問題なのですが、これと比べるとわざわざ一票を入れるのかについて悩んでしまって入れられなかった。
参照用リンク: #date20040726-173150